AI導入・活用

AI活用に向けた社内研修のポイント

公開日:2024.10.03
コロナ禍をきっかけに企業のデジタル化およびDX推進が急速に本格化し、AIもビジネスパーソンにとって徐々に身近なものになってきました。さらに2022年11月末のChatGPTの公開に端を発した世界的な生成AIブームにより、AI導入に本格的に関心を抱く企業が増加の一途をたどっています。こうした背景の中、企業におけるAI人材の需要は高まる一方ですが、採用だけでまかなえる状況になく、社内人材のリスキリングが必須となっています。この記事では、専門企業が提供しているAI関連研修を独自の視点で、社員研修を企画・実施される方々に参考になる情報をまとめています。

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AI時代に育成すべき人材像とは?

AI人材と聞くと、データサイエンティストなどAIを作成する人材やAIをシステムに実装するAIエンジニア等が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。もちろんこれらの職種も主要なAI人材ですが、それだけがAI人材ではないのです。

AIリテラシーに関しては、
  1. AIを理解する
  2. AIを使いこなす
  3. AIを管理・運用する
  4. AI導入を企画・実行する
といった大きく4つの観点があると言えます。
データサイエンティストが持つリテラシーは①と②ですが、②に関しては、マーケティング、営業、人事・総務、企画、研究・開発、生産などあらゆる職種で必要とされるリテラシーとなります。また①に関しても、基本的な理解は全職種で必要になっています。③に関しては、IT部門に期待されるリテラシーと言えますし、④に関しては経営企画、DX推進などの部門はもちろん、あらゆるミドルマネジメントが持つべきリテラシーと考えられます。

要するにすべての社員にAIリテラシーが求められていおり、一方で職種によって必要なリテラシーは異なるということです。AI研修の検討においては、職種ごとに必要なAIリテラシーを整理して、4つの観点のうちのどれを学ぶかを見極めることがポイントになります。

ただ全職種でAIリテラシーを向上させていくことはハードルが高く、現実的ではありません。これからの時代において、AIリテラシーをより向上させるべき職種・業務にはどのようなものがあるかを整理していきます。

AIに代替される業務とAIで補完される業務を見極める

AIが人間から仕事を奪うという話が2010年代半ばにかなり話題になりました。2015年末に野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究の結論が公表されたのが発端です。これによれば、日本の労働人口の約49%が付いている職業が、10~20年後にはAIに代替されているだろうと言うのです。実際にはAIによる代替があまり急激に進まなかったため、いったんは忘れられていたのですが、2023年の生成AIブームの影響で再び取り沙汰されるようになりました。
とは言え、すべての職種がAIに代替されるわけではありません。中には逆にAIで補完することで職種としての生産性が高まるケースもあります。またAIとは無関係な職種も存在します。その点に関して、内閣府はマウロ・カッツァニガ氏等の研究結果に基づき、図のようにまとめています。
出典:『世界経済の潮流 2024年Ⅰ AIで変わる労働市場』 令和6年7月 内閣府
まず肉体に大きく依存する仕事業務はAIに代替されることがほとんどないということです。一方で事務的な仕事業務については、人間の関与度合によって差があります。関与しなくても成立する仕事業務はAIに代替され、どうしても関与が必要な仕事業務はAIが人の代替をするのではなく、人間がAIを活用することで生産性が高まることになるというのです。さらにAIを活用することで成立する新たな仕事業務に従事する人材が必要になることも予想されています。

したがって各企業においては、今後AIに代替されていく業務職種とAIで生産性が高まる業務職種を見極めることが肝心です。そして、その見極めに基づいて人材を再配置したり、再教育(リスキリング)したりすることがとても重要になるると言っていいでしょう。

たとえば営業職では、見積作成・受注処理・経費精算・日報作成など事務的な処理はAIが代替してくれるようになるでしょうし、営業プランの策定と改善や提案書作成など思考が必要な業務はAIが補完することで効率が高まるでしょう。それによって営業職が本来最も注力したい対面での商談に割く時間が増えて、売上の向上につながるはずです。したがって営業職が受講すべきAI研修は、AIを活用してどのように営業プランを立てるか、あるいは提案書を作成するかといった内容のものになると言えます。

AI人材育成に関連するトピック

AI人材育成を実施する上では、内製化とリスキリングの2つが必ず関わってきます。そこでこの2つについて、もう少し掘り下げたいと思います。

内製化

DX推進の進展に伴い「内製化」に取り組む企業が増えています。内製化とは、システムのブラックボックス化に伴い、ベンダーに外注せざるを得ない「ベンダー・ロックイン」という状況から脱却し、自社主導でシステムの改修・開発・運用を行える状態にすることです。
不確実性が高い時代のビジネスにおいては、PDCAを高速に回して試行錯誤を繰り返すことが必要です。そのためにはシステムの開発・改修を短時間かつ低コストで行うことが必須であり、時間もコストもかかる外注に依存できなくなってしまいました。そのために内製化が必須となったわけです。さらにAIに関するナレッジやノウハウを自社に蓄積するためにも内製化が求められています。
そこにChatGPTなど対話形式でビジネス活用ができるAIが登場したことで、AI活用のハードルが一気に下がり、内製化に弾みがついています。

内製化に取り組む際には、いきなりすべてを内製化するのではなく、最初は少数精鋭で開始し、優先度の高い業務から少しずつ範囲を広げていくことが現実的です。初期段階では、内製化を伴走支援してくれるベンダーの支援を受けることも検討に値するでしょう。

リスキリング

「リスキリング」とは、「これから新たに発生する業務に役立つスキルや知識を習得すること」です。単なる再教育と違うところは、「価値を作り続けるために学ぶ」ことが主眼になっているということでしょう。
したがって、今まで営業職だった社員をデータサイエンティストとして再教育するというのはリスキリング本来の意味とは異なります。営業職であるなら営業職のまま、「データに基づいて営業施策のPDCAを回せるようになる」、「AIを活用して新商品の販売戦略を立てられるようになる」といったことを可能にするのがリスキリングなのです。
ただ、デジタル活用推進部門を新たに組成して、営業部門やマーケティング部門などから社員を異動させて、データサイエンティストとして再教育することも一般的にはリスキリングと呼ばれています。これは前職で得た経験をデータサイエンティストになっても有効活用してほしいという意図があるからです。
それまでの社員の経験やノウハウから新たな価値を生み出すために実施するのがリスキリングだということであり、AI人材育成においてこの考え方は極めて重要だと言えます。
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AIリテラシーに合わせたおすすめ研修をご紹介します。

「AIを理解する」おすすめ研修

株式会社インソース
ビジネス活用のためのAI・人工知能研修
AIとは何なのか、どんなことができるのか、どうすればできるのかという疑問に、世の中の活用事例を紹介しながら答えます。本研修を通じて、AIに関する知識、簡易で廉価なAIツールについて知り、現場に導入するためには何から始めればよいかを学びます。
こんな人におすすめ
AI(人工知能)がどういうものなのか知りたい方
AI(人工知能)を職場で使いたいが、どのように活用したらよいかわからない方
AI(人工知能)の現場導入を検討されているマネジメント層、システム担当の方
到達目標
AIとは具体的にどのようなことができるのかを理解する
人工知能の導入にあたって、コストと成果に対する考え方を整理する
料金
会員価格 33,600円 / 通常価格 36,600円(※双方税込)
研修形式
集合研修/オンライン研修
サイトURL
株式会社富士通ラーニングメディア
【集合】体験!機械学習
コンピュータがデータからパターンや規則性を見つけ出し、それに基づいて予測や意思決定を行うことができるようにするための「機械学習」について学習します。機械学習の基本的な概念や手法、プロセス等を体験操作を通じて学び、機械学習を身近に感じていただくことを目的としています。
こんな人におすすめ
機械学習についての知識や経験がなく、機械学習がどのようなものか、まずは体験してみたいという方
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代表的な手法(回帰、分類、クラスタリング)の概要を説明できる
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