
ダイバーシティ&インクルージョン
ダイバーシティ&インクルージョンの浸透を進める社内研修のポイント
公開日:2024.10.03

ダイバーシティ&インクルージョンという言葉はさまざまなところで聞き、取り組みを進めている企業も増えてきています。最近では、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉が一般的でしたが、エクイティ(公平性)の考え方とビロンギング(帰属意識)の考え方を加えたDEIB(デイブ)という言葉が広がり始めています。
本記事では、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に触れながら、最近広がり始めているDEIBについて企業内でどのように推進していくか、社内での課題と対応策となる研修を含めご紹介していきます。
ダイバーシティ&インクルージョンに関する研修を検討されている方は、無料でダウンロードできる資料をぜひご活用ください。
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D&Iとは何か
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)についての定義と企業におけるダイバーシティ&インクルージョンの意義を整理します。
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)は、多様性(Diversity)と包括性(Inclusion)の略です。企業におけるD&Iは、性別、年齢、国籍、宗教、文化、性的指向、障害の有無など、多様なバックグラウンドや視点を持つ個々の違いを尊重し、活用する取り組みを指します。
ダイバーシティは多様な人材を集めることを意味し、インクルージョンはその多様性を積極的に受け入れ、全員が働きやすい環境を整えることを目指します。
企業においてD&Iを推進することは、
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)は、多様性(Diversity)と包括性(Inclusion)の略です。企業におけるD&Iは、性別、年齢、国籍、宗教、文化、性的指向、障害の有無など、多様なバックグラウンドや視点を持つ個々の違いを尊重し、活用する取り組みを指します。
ダイバーシティは多様な人材を集めることを意味し、インクルージョンはその多様性を積極的に受け入れ、全員が働きやすい環境を整えることを目指します。
企業においてD&Iを推進することは、
- イノベーションの促進
- 企業の競争力強化
- 社員のエンゲージメント向上
- 経営リスクの軽減
に繋がるとされています。多様な視点が集まることで新しいアイデアや解決策が生まれ、変化する市場ニーズに柔軟に対応する力がつきます。また、経産省は2018年からダイバーシティ2.0という名称で「多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組」と企業経営としての取り組みとして定義しています。
企業の注力が広がり始めているDEIBとは?
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)とDEIB(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング)は、共に企業の多様性に対する取り組みを示す概念ですが、範囲と焦点が異なります。DEIBはD&Iにエクイティ(公平性)とビロンギング(帰属意識)が加わったものです。
- Diversity(多様性):組織内の多様性を反映することの意義
- Equity(公平性):全ての従業員が公平に評価されることの重要性
- Inclusion(包摂性):全ての従業員が受け入れられ、価値が認められる職場環境の創出
- Belonging(帰属意識):従業員が組織の一員であると感じることの重要性
DEIBは、D&Iの枠組みを広げ、より深いレベルで個々の従業員が組織の中で認められ、価値を感じられるようにする取り組みです。最近では東芝やJTBなどの大手企業が積極的に推進しており、単に多様性を確保し、包摂的な環境を作るだけでなく、公平性を確保し、全ての従業員が組織に対して深い帰属意識を持つことの重要性が認識されています。
DEIBを推進する際の社内課題
D&IやDEIBは今後の経営戦略上、大事なキーワードになってきますが、それを推進するために乗り越える社内課題、壁を理解したうえでの推進活動を行う必要があります。
DEIB推進の課題
意識改革の困難さ
- 従来の価値観や慣習に固執する社員の存在
- アンコンシャスバイアスの克服
- DEIBの重要性に対する理解不足
これらの課題に対し、多くの企業がDEIB研修やアンコンシャスバイアス研修を実施しています。例えば、JTBグループは「プラスフォーラム」や「DEIB研修」を通じて、社員の意識改革に取り組んでいます。
出典:
https://www.jtbcorp.jp/jp/sustainability/deib/
出典:
https://www.jtbcorp.jp/jp/sustainability/deib/
組織文化の変革
- 心理的安全性の確保
- 多様性を尊重する文化の醸成
- オープンなコミュニケーションの促進
組織文化の変革には時間がかかりますが、東芝グループのようにDEIBを目的とする社内コミュニティの立ち上げなどの取り組みが行われています。
出典:
https://www.global.toshiba/jp/sustainability/corporate/performance/social/diversity.html
出典:
https://www.global.toshiba/jp/sustainability/corporate/performance/social/diversity.html
制度設計と運用
- 公平な評価制度の構築
- 多様な働き方を支援する制度の整備
- ライフイベントに対応した柔軟な制度の導入
多くの企業が、採用や昇進の評価制度の見直し、柔軟な勤務制度の導入などに取り組んでいます。
数値目標の設定と達成
- 適切な指標の選定
- 現実的かつ挑戦的な目標設定
- 進捗管理と改善策の実施
リーダーシップの発揮
- 経営層のコミットメント獲得
- 中間管理職の理解と協力
- DEIBを推進するリーダーの育成
DEIBの推進には、トップダウンとボトムアップの両方からのアプローチが必要です。
部門間の連携
- 人事部門と他部門との協働
- 全社的な取り組みとしての位置づけ
- 部門横断的なプロジェクトの推進
DEIBは特定の部門だけでなく、全社的な取り組みとして推進することが重要です。これらの課題に対処するためには、長期的な視点を持ち、継続的な取り組みが必要です。また、社内外のステークホルダーとの対話を通じて、DEIBの推進に対する理解と協力を得ることも重要です。
DEIBを推進するための施策
まずは社内の現状把握し、現状に合わせた施策を以下のポイントに注意し行っていきましょう。
- DEIBを推進する目的を定義する
- 現状の課題に基づいて優先順位をつける
- 経営層のコミットメントを得る
- 定期的に効果を測定し、必要に応じて改善を行う
- 従業員からのフィードバックを積極的に取り入れる
1. DEIBを推進する目的を定義する
- 目的の明確化:まず、DEIBを推進することで達成したい具体的な目標を設定します。例えば、「多様な人材の採用」「従業員のエンゲージメント向上」「市場での競争力強化」など、会社のビジョンやミッションと一致するようにします。
- 関係者との合意形成:目的を定義した後、経営層や各部門のリーダーと目的についての共通理解を得るようにします。これにより、取り組みが一貫したものとなり、全社的なサポートを受けやすくなります。
2. 現状の課題に基づいて優先順位をつける
- データ収集と分析:従業員の多様性、エクイティ、インクルージョンに関する現状のデータを収集し、ギャップや課題を洗い出します。アンケートやヒアリングを行い、従業員の声を直接聞くことも重要です。
- 課題の優先順位付け:課題をリストアップし、ビジネスへの影響度、従業員の満足度向上に対するインパクトなどを基に優先順位を決めます。例えば、「ジェンダーの不均衡」「インクルーシブなリーダーシップの欠如」など、組織にとって最も重要な課題から取り組みます。
3. 経営層のコミットメントを得る
- 経営層へのプレゼンテーション:DEIBの取り組みが企業にもたらすメリットや、具体的な実施計画を経営層にプレゼンテーションします。特に、ビジネス成果との関連性を強調することが重要です。
- 経営層を巻き込むプログラム:経営層がDEIBに積極的に関与するよう、リーダーシップトレーニングやワークショップを提供します。これにより、経営層のコミットメントが実際の行動に反映されます。
4. 定期的に効果を測定し、必要に応じて改善を行う
- KPIの設定:DEIBの進捗を評価するための具体的なKPIを設定します。例えば、多様な人材の採用率、インクルーシブな職場環境に関する従業員満足度などが考えられます。
- 定期的なレビューと調整:定期的にKPIをレビューし、目標に対する進捗を確認します。また、必要に応じてアプローチや施策を改善し、柔軟に対応します。
5. 従業員からのフィードバックを積極的に取り入れる
- フィードバックの収集:定期的に従業員からのフィードバックを収集する仕組みを作ります。アンケート、フォーカスグループ、1on1ミーティングなどを活用し、現場の声を反映します。
- フィードバックを基にした改善:収集したフィードバックを基に、実際に施策を見直し、改善を行います。従業員が自分の意見が反映されていると感じることが、エンゲージメント向上にもつながります。
目的に応じた優先度の高いところから施策実行していきましょう。施策を行うにあたっての外部研修を利用することも有効です。
DEIBの推進は、企業の成長と持続可能な組織づくりに欠かせない要素です。多様な視点と公平な環境がイノベーションを生み、社員一人ひとりが安心して働ける職場が生産性を高めます。これからもDEIBを意識した取り組みを通じて、企業全体の競争力を強化し、持続的な成長を実現することが求められます。
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DEIBに紐づくおすすめの研修
株式会社日本能率協会マネジメントセンター
多様性マネジメント研修
ダイバーシティ経営の考え方を正しく理解し、多様性を活かす職場マネジメントの考え方と行動を学び、また個々のスキルや考えを認めて活かす「インクルージョン風土」を醸成するために必要なポイントを理解し、それを推進する管理者としての役割と行動を学ぶ研修です。
こんな人におすすめ
ダイバーシティ推進だけでなく、インクルージョンの視点を重視した研修プログラムのため、インクルージョン風土を社内で醸成したい方
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)に気づき、その対策を社内に浸透したい方
到達目標
「ダイバーシティ&インクルージョン」の概念を知り、それを推進するための考え方と行動を理解する
ダイバーシティ&インクルージョンを推進する管理者としての役割と行動を理解する

株式会社クオリア
エクイティeラーニング研修
エクイティeラーニングでは、約20分でDEIの本質であるエクイティについて解説します。事例を効果的に用いて、ダイバーシティになじみがない学習者にもわかりやすい内容です。
こんな人におすすめ
エクイティを知らなかった方、なじみのない方
到達目標
ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンがなぜ組織にとって重要なのか、理解する
エクイティ(公平) について理解を深め、マジョリティとマイノリティの違いを知る
事例から理解する!エクイティを実践するための3つのステップを学ぶ
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